親鸞会と東本願寺の説法を聞き比べ|親鸞会批判の真実

　ＪＲの駅から車で15分。工業団地を抜けると、水田の広がる郊外に出る。小高い山のふもとに、馬場さん宅はあった。
　門を入り、二階のベランダへふと目をやると、半鐘が下がっている。
「報恩講など、行事の際に鳴らしていたんですよ」
と、元重さんは言う。この家の二階が、かつては寺の道場だったのである。
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　元重さんの生家は、東本願寺（大谷派）末寺であった。サラリーマンの兄が住職を継いだが、
「もう寺では生活が成り立たない」と、出て行った。

　住職不在で、建物も老朽化、しかし、「聞法道場だけは残したい」と、元重さんの養父・晴夫さんが立ち上がる。
「父は、当時、親鸞会講師のご法話に参詣しており、何とか親鸞聖人の本当の教えを伝えたいと思ったのでは」
と元重さんは振り返る。

　そして晴夫さんの尊志により、現在の道場兼自宅が新築され、初めての法話に親鸞会の講師を招待したのが、家庭法話の始まりだった。夫妻と母・マツさん、二人の子供が仏縁を結び、門徒も多く参詣した。

　別の市にある本寺（親寺）の住職も定期的に説教に来ていたので、馬場さん夫妻は、同じ本堂で親鸞会と東本願寺を聞き比べることになる。

　東本願寺は、死後を否定しながら、一方では、「念仏さえ称えていれば極楽」という支離滅裂な話で門徒を煙に巻いていた。親鸞会は、「仏法の目的は、後生の一大事の解決以外にはない」と断言し、信心為本を説く。差は歴然だった。

　晴夫さん亡きあと、兼業農家のかたわら世話人を継いでいた元重さんは、寺とこれ以上、関係を持つ意味はないと決意し、本寺を訪ねた。

「後生の一大事を説かないのなら、もう来ないでください」

　不浄な説教は一掃。御名号本尊をご安置した本堂で、親鸞会講師の法話が脈々と続けられたのである。

　平成１６年には、母・マツさんの葬儀、初七日法要を親鸞会で執り行う。本願寺の葬儀と思って参列した門徒や親戚は一様に驚き、抗議の声を上げる人もいたという。
　しかし、皆、喪主の元重さんの説得に応じ、だれ一人帰る人はいなかった。参列者全員、親鸞会講師の説法を聞き、毎月の家庭法話に参詣する人も現れたのである。
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　定年退職後に始めたキクの栽培も、法施の勝縁となっている。キクは、仏花として需要が高く、最盛期の秋には週一、二回、元重さんが行商に出る。

　２月の法話に参詣した、北島さんは、馬場さんの固定客の一人。
「車に乗せてもらって、一時間かけて来ました。キクを買ったら真実の仏法に遇えるなんて……」
と喜ぶ。
「花作りは、米よりも手間がかかりますが、苦労が報われる気がします」
と、美佐子さんも隣でほほえむ。

　馬場さん宅で行われる親鸞会の法話には、ますます法友が集うようになった。

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