教えを知ってこその専門知識|親鸞会批判の真実

「龍谷大学大学院
　実践真宗学研究科開設へ」
───専門知識と実践力を───

「浄土真宗本願寺派の宗門校の龍谷大学は、来月４月、現代社会の諸問題に対応できる専門的な知識と実践力を備えた伝道者を育成する、大学院真宗学研究科を開設する」
「既成仏教教団の衰退が危惧される中で『宗教者、宗教の本来の力の回復」を目指す龍大の今回の試みは注目を集めそうだ」

　リード文にこう紹介された後、本文には「伝道者育成　宗門の急務」との小見出しで、

「『往生浄土』『他力本願』などの真宗教義の根幹にかかわる言葉の意味が現代人に伝わりにくくなっており、本願寺教団にとっても、現代社会の諸問題に関する専門的な知識と実践力を備えた伝道者の育成は急務とされている」

とあります。開設の中心を担う文学部教授は、

「深い専門的な知識を身につけ、現代人の多用なニーズを踏まえ『往生浄土』など教義の根幹にかかわる用語を現代の言葉で語ることができなければならない。実践的な方面でこれからの浄土真宗を背負っていける人材を育成したい」

と語り、学長も、

「宗教家の存在感の薄さを残念に思っている。もっと宗教家が力を発揮し、宗教がもっと現代人の力になることができるよう、この大学院がそのきっかけとなれば」

と抱負を述べた、とのことです。

　現代人に浄土真宗をどう伝えるかと、頭を悩ませていることは、よく分かります。
　親鸞聖人を信奉する者ならば当然でしょうし、本願寺僧侶の養成機関たる龍谷大学ならば、尚更でしょう。

　ただ、問題はその方法です。どんな知識を身につけ、何を実践するかです。
　教授や学長の言葉では、それらのことが、具体的に明示されていません。
　開設は決まっても、未だに雲を掴むような暗中模索の状態だからでしょうか。
　そのあたりの事情は察しかねますが、もし「専門的な知識」という言葉が、「親鸞聖人の教え」以外のことを指しているならば、本末顛倒と言わなければならないでしょう。

　もちろん、法律や医療、科学技術、環境問題、都市計画などの「現代社会の諸問題に関する専門的な知識」はとても大事ですが、問題は、それらの知識や経験を活かして伝えるべき、「親鸞聖人の教え」を正しく知るか、どうかです。

　浄土真宗親鸞会では、医師や弁護士、会計士など多くの親鸞学徒が、それぞれの専門知識を活かして、親鸞聖人の教えを伝えています。その活躍の根底には皆、親鸞聖人の教えを深く知らされている喜び、出遇えた感激が溢れているのです。

　その肝心の親鸞聖人の教えを知らねば、折角の「専門的な知識」も死んでしまいます。
　まず、人材を養成し教育する立場の龍大学長、教授を始め、本願寺トップの門主や伝道院、勧学寮、末寺住職、布教使など宗門に携わる人たちが、「親鸞聖人の教え」を学び身につけることこそ、先決でしょう。

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