経常費「割り当て」本願寺の現状|親鸞会批判の真実

本山宗務所で一、二の両日、全国教務所長会が開かれ、昨年十一月に実施された門徒戸数調査に基づいた経常費「御依頼」が全三十教区に割当された。本山までの距離や地域特性調査の結果などが加味されているため、割当基準は門徒戸数調査の結果だけを反映したわけではないが、今回の「御依頼」割当は門徒戸数調査を用いた初の割当となった。
「御依頼」は、毎年度の宗派予算約八十億円の約六割を占める募財。今年も例年と同じように、約五十三億円が三十教区に割当された。

「財施」とは、仏法のため、ご恩を受けた人や生活に困窮している人のために、お金や財、労働力や時間などを喜んで差し出す行為をいいます。だから「喜捨」ともいわれるのです。

　あくまでも、財施する本人の自由意思であって、強制ではありません。ですから決して、税金のように金額が「割り当て」られるものではないのです。

　仏法のための「財施」の金額を「割り当て」るのは、仏法精神ではありませんが、東本願寺（真宗大谷派）では、それが当然のようになされているようです。

　割り当てられた「教区」では、また門徒に「割り当て」られるのですから、次のような不満が聞こえるのも、よく分かります。
「坊主は葬式や法事でたまにきて、訳の分からぬお経を読んで、酒を飲んで帰って行くだけじゃないか。布施は自由意思といいながら、なぜ、こんな高い負担金を拠出しなければならぬのか」

　このように、自由意思である「財施」を、「御依頼」と名づけること自体が、仏法精神に反するのではないでしょうか。

「御依頼」という言葉は、いかにも、「本山が、門徒の皆さんに、どうかお金を出して下さい、とお願いする」というニュアンスですから。
　そうではないのです。
　仏法のための「財施」は、財施する人が、「どうか、仏法のために出させて下さい」と、「自主的に」させて頂くものだからです。
　その根底には、「仏法尊い」という気持ちがあるのですが、その肝心の仏法が、正しく説かれていないから、「仏法尊い」とも思わず、「死人の後始末のための教え」くらいに誤解して、「オレには関係ない」「そんな仏法のために出すつもりもない」と、寺への不満が鬱積するのです。

　そこへもってきて「お宅んところは、５０万円です」などと「割り当て」られるのですから、門徒は嫌気がさして離れてゆくのも、うなづけます。

　こんな短い記事に、「御依頼」「割り当て」という言葉が何回も繰り返されること自体、仏法精神に反した信仰が、顕著に表れているといえるでしょう。

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