親鸞会批判の真実

（72）「不安」キルケゴール

「そのために生き、そのために死ねるようなもの」を求めた キルケゴール 。
その答えを見つけるには、まず「自分（人間）を知る 」ことが大事で、

「自分（人間）とは心だ」

というところまできました。
では、その「心」はどんな状態か、 キルケゴ―ルの主著「死に至る病」から聞いてみましょう。

『何らかの意味で、いかほども絶望していないような人間は 一人もいない。

「不安」、知られざる、あるものに対する不安、それを知ろうとすることさえも何となく怖ろしいような気のする
あるものに対する不安、
自己自身に対する不安

このような不安を抱えていない人間は一人もいない。
この病を自分の内に抱いて歩き回っているので、病がそこにあることが、時々電光のように、
自分自身にも不可解な不安として現れるのである』

本のタイトルにもなっている「死に至る病」とは「絶望 」のことだとキルケゴ―ルは言います。

「絶望」とはまた強烈な言葉で、よっぽどヘマしたり、逆境にたたされないと「絶望」しないと思うでしょうが、ここでいう「絶望」とはそういう「絶望」ではありません。

哲学では、一般的な言葉でも哲学的な意味で使われることがよくあるので、ここが注意したいところ。

ここでいう絶望は、「不安という形で現れる」とまず理解してもらえればいいでしょう。

芥川龍之介は「ぼんやりとした不安」という表現をしましたが、人間がみな抱えている「根源的な不安」 。私である「心」は、こんな「不安」な状態にあるというわけです。

その「不安の正体」を見つけることが、自分を見つけることにもつながっていくのです。
不安の根本、苦悩の根元を知らないから、苦しみ悩みが絶えないのだ、と親鸞聖人は教えられました。苦悩の根元を知り、その解決をしてこそ、人間に生まれてよかったという生命の歓喜があるのです。
親鸞会館では、その親鸞聖人の教えが明らかにされています。。

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