親鸞会批判の真実

（76）『実存（じつぞん）への３段階』３

－キルケゴールと親鸞会

さて実存（じつぞん）へ（人間の真の生き方に到達する道 ）の３段階の３つ目は「宗教的実存」です。

「宗教的実存」とは
人間を超越した絶対者の力によって幸せを与えてもらうしかないが 、不完全な人間の内側を探しても、絶対者は存在しない。
だから、救済は信仰の決定的飛躍によってのみ得られる、というものです。

西欧で生まれ育った キルケゴール にとって、「信仰 」とはキリスト教でした。

彼は、聖書の記述を一切、疑わないように努めます。例え話や冗談として扱わず、一字一句まともに受け止めたのです。

しかし彼は最後まで、キリスト教を信じ切れませんでした。

「キリスト教はどこにもない」

と絶望の叫びを残しています。

悲しいかな、キルケゴールは「宗教的実存」をキリスト教に求め、心底、真の幸せを希求しながら、ついに手に入れることはできなかった。

「自分自身で本当の幸せを考え、見つけ、手に入れます」

という人がたまにいます。キルケゴール以上の知性を持ち、キルケゴール以上に真剣さをもって求めても困難な大問題であることを知ってもらいたいと思います。

キルケゴール の思想は、その後の哲学へとバトンタッチされました。この、実存主義は受け継がれ、のちにハイデッガーやサルトルが現れるのです。

親鸞聖人は、信心といっても、正しい信心（本当の幸せ）と邪な信心、偽りの信心、ニセ信心があることを明らかにされました。親鸞聖人の「正信偈」は、正しい信心を明らかにされたもの。浄土真宗の方ならば、朝晩読まれているものですが、意味を聞いたことがないという人がほとんどです。親鸞会館では、毎月その正信偈についてのご法話が開かれています。

正しい信心（本当の幸せ）一つを明らかにするのが、親鸞会の目的なのです。

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