親鸞会批判の真実

（20）こんな人工信心もある

　親鸞会で私は目が覚めた(2/3)

地獄へ堕つる

翌日は８時過ぎから話が始まり、午前中に２座、昼にも２座、夜に３座、と続きます。前の晩に帰った人がまた来たりして、数人の出入りはありました。食事は妻が家から運んできてくれました。

そして、２日目の夜中です。この時は、５人くらいいたでしょうか、Ｎさんが大声で、
「この中に仏を粗末にして、神信心している者がいるだろう。そんな者は、臨終にろくな死に方をしないぞ」
と言いました。

〝それは自分だ〟と思った途端、目の前が真っ暗になり、業魂が逆とんぼで地獄へ堕ちていくのを見ました。それは墨のような暗黒でした。今でも、あの暗さは忘れません。

全く覚えがない

苦しんでいるのは私一人。隣にいた母は、その私を見て驚き、Ｎさんに、
「うちの息子をどうしてくれたのですか！」
と言ったそうです。Ｎさんは私に、
「立て、立て」
と何回も言ったそうですが、私には全く覚えがありません。そこで、４、５人で抱えて２階から下ろされ、お内仏の前に座らされました。その時、私の体は冷たかったそうです。

Ｎさんは、

「今、おまえは救われた。喜べ、喜べ」

と、何度も言います。ようやくその声が、はるかかなたから聞こえてきたのです。

ハッと気がつくと、目の前で阿弥陀さまが、にっこり笑っておられるお姿を拝見して、思わずすがりました。お仏壇の絵像の阿弥陀さまを、両手でがしっと握ったのでした。

その時、大きな喜びがわき起こってきたのです。あんな喜びは、生まれて初めてです。

「うれしくてかなわん」
と叫び続け、早速、家へ帰り、寝ている家内に、
「仏法聞け、仏法聞け」
と叫びました。自宅のお仏壇に礼拝し、もう一度、隣の家へ行きますと、Ｎさんが、
「おまえは救われたのだから、帰りなさい」
と言うが、うれしくて帰れません。

とうとう夜が明け、朝一番に寺に行き、住職に、
「仏法聞いてください」
と言い、道行く村人にも、
「仏法聞いてください」
と叫び続けました。村の者は、〝気が狂ったか〟と私の顔をまじまじと見ましたが、確かに自分ながら、変わり果てたのに驚きました。

２日ほどは仕事も手につかず、うれしくて念仏が途切れることなくあふれ出る。どうなってしまったのやら、見るもの聞くものすべてが喜べる。

しばらくしてＮさんは、四国へ帰りました。
それから仏法が聞きたくなり、寺参りを始めました。
ところが、
「阿弥陀さまは、死んだら助けてくださる。お念仏を喜びなさい」
という話ばかり。じっと聞いておれず、多くの人々をだましている高座の坊主を引きずり降ろしたい気持ちで、途中から帰った日もありました。

〝だれか、正しいみ教えを聞かせてくれる人はないか〟と思い、全国から有名な布教使が集まる長浜別院へも行きましたが、同じ無安心の説教でした。

真実との出遇い

そのころ、ある人から、
「あんた、仏法を喜んでいると聞いたが、今、宇賀野の寺へ、若い布教使さんが来ておられる。分かりやすく話してくださるから、参らんか」
と言われ、早速、母と一緒に自転車で走りました。２月のことでした。

寺は大勢の人で、座る場所もありません。縁板の上で、〝どんな話だろうか。今まで聞いてきた人と同じように、口上手で喜ばせる話ではなかろうか〟と思っていると、なるほど、若い方が出てこられ、
「あわれあわれ、存命の中に皆々信心決定あれかしと朝夕思いはんべり」
と讃題をおっしゃる。

そのお言葉について、黒板を使って話される一席をお聞きし、〝この先生の話される一念の体験は、私の心とぴったり合う。探し求めた人は、この方だ！〟と心が叫びました。それが、高森顕徹先生との出会いでした。当時は親鸞会という名前も知りませんでした。

「この先生に、うちへ来ていただこう」
と、母と話していますと、隣に座っていた人が、
「今年は無理です。先生の予定は、一年先まで決まっています」
と言われる。〝それでも〟と思い、一心に先生にお話しすると、
「２カ月後の４月に行きましょう」
とおっしゃるではありませんか。

跳び上がって喜びました。
４月２１・２２日に、長浜市にあるわが家へ、高森顕徹先生は初めて、お越しくださったのです。

同じ町内で、先生をご招待した家がほかに２軒あり、２日ずつ、１回に連続６日間、４、５回お越しくださったと思います。親鸞会での高森先生ご法話は、当時、一般家庭で開かれることも多くありました。

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